電動歯ブラシ、安いやつと高いやつ。半年使って違いがわかった
3,000円の電動歯ブラシから1万円クラスの音波式に乗り換えて半年。値段の差がどこに出るか、どこに出ないかを正直に検証する。
電動歯ブラシの「高い・安い」の差は、磨き心地ではなく使い続けられるかどうかに出る。
半年使ってわかったのはそこだ。「歯がきれいになるかどうか」という軸で見ると、話が全然変わってくる。
安い電動歯ブラシを3年使っていた経緯
もともと使っていたのはPanasonicの「ドルツ」の廉価モデル、EW-DS32。実売2,500〜3,000円のやつだ。
電動歯ブラシ初挑戦で「とりあえず試してみたい」と思って買った。振動式で、毎分約8,000ストロークのスペック。替えブラシも安く、ランニングコストは低い。使い勝手に不満はなかった。むしろ「電動歯ブラシってこんなもんか」と思って3年使い続けた。
きっかけは歯医者だ。半年に一度の定期クリーニングで、「奥歯の歯垢が取り切れていない」と指摘された。毎日磨いているのに、だ。歯科衛生士から「もう少し強力な音波式を試してみては」と言われて、初めてちゃんと調べた。
そこで選んだのがPhilipsの「ソニッケアー プロテクトクリーン プラス」HX6457。実売9,000〜11,000円前後。音波式で毎分約31,000ストローク、廉価モデルの約4倍の振動数だ。
乗り換えて半年でわかったこと
良かった点:「口の中のヌルつきがなくなる」のは本当だった
音波式の最大の違いは、ブラシの物理的な摩擦だけでなく、音波による水流で歯間・歯肉溝まで洗浄する仕組みだ。理屈の話ではなく、磨き終わった後の口の中の感覚が明らかに違う。
廉価モデルで磨いた後は「磨いた感」があった。音波式で磨いた後は「すすいだ感」に近い。舌で歯の表面をなぞったとき、ツルツル感が3年分の比較で段違い。
歯医者での指摘も半年後の検診でなくなった。これは事実として書いておく。
良かった点:圧センサーが意外と役に立つ
ソニッケアーの中〜上位モデルには、力の入れすぎを知らせる圧センサーがついている。電動歯ブラシを強く押し当てるのは逆効果で、歯肉を傷める原因になる。俺は知らないうちに力を入れすぎていたらしく、最初の1週間はセンサーが頻繁に反応した。
廉価モデルにこの機能はない。地味だが、長期的な歯肉へのダメージを考えると重要な差だと思う。
悪かった点:最初の2週間は歯肉が痛かった
音波式は慣れていない人間にとっては刺激が強い。磨き始めの3〜4日は歯肉がじんじんした。Philipsは「最初は弱いモードから始めろ」と推奨しているが、それでもしばらく違和感があった。
廉価モデルからの乗り換え組は、2週間は様子を見ながら使うつもりでいた方がいい。
悪かった点:替えブラシが高い
これが正直一番のネックだ。ソニッケアーの替えブラシは純正品が4本セットで2,500〜3,000円。廉価モデルの替えブラシの3〜4倍のコストになる。
サードパーティ製の互換ブラシが1,000〜1,500円/4本で売っており、実際に試したが品質のバラツキがあった。純正品より毛先がへたるのが早い印象で、結局純正に戻した。
ランニングコストは年間で2,000〜3,000円は高くなると見ておいた方がいい。
普通だった点:充電の持ちはどちらも十分
廉価モデルもソニッケアーも、充電は2〜3週間に一度で足りる。この点は差がない。「高いやつは充電が長持ち」という印象もあるかもしれないが、実用上の差は感じなかった。
安いやつ vs 高いやつ、競合比較も含めた正直な評価
| 安いやつ(振動式・3,000円以下) | 高いやつ(音波式・1万円前後) | |
|---|---|---|
| 磨き上がりの感覚 | 普通 | 明らかに良い |
| 歯垢除去力 | 及第点 | 差がある |
| 圧センサー | なし | 中〜上位モデルに搭載 |
| 替えブラシコスト | 安い(600〜800円/本) | 高い(600〜700円/本・純正) |
| 慣れるまでの期間 | ほぼ不要 | 2週間は見る |
| 初期投資 | 低リスク | そこそこの覚悟がいる |
OmronやPanasonicのドルツシリーズにも音波式の中価格帯モデル(5,000〜7,000円)がある。Philipsほどのストローク数ではないが、替えブラシが安く、コスパのバランスはいい。「Philipsは高い」と思う人はOmronのHT-B321あたりが現実的な選択肢だ。
ただ、Philipsの「水流による洗浄」という感覚はOmronの中価格帯では再現できなかった、というのが正直なところだ。
結論。こういう人は買い、こういう人は見送り
1万円クラスの音波式に乗り換えるべき人:
- 歯医者で「磨けていない」と毎回指摘される人
- 歯周病のリスクを指摘されている人
- 電動歯ブラシをすでに持っていて、「もっと効果を感じたい」と思っている人
- 替えブラシ代が増えても、歯のメンテナンスをアップグレードしたい人
安いやつで十分な人:
- 電動歯ブラシを初めて使う人(まず慣れることが先決)
- 歯医者での指摘が特になく、現状維持で十分な人
- 「とりあえず手磨きよりマシにしたい」というレベルの人
はっきり言う。歯のケアにコストをかけることを「もったいない」と思う人には、高い電動歯ブラシは続かない。替えブラシ代で毎回ためらうなら、安いやつを丁寧に使う方がトータルで良い結果が出る。
逆に、歯医者の治療費・被せ物・インプラントの値段を一度でも調べたことがある人なら、1万円の投資はすぐに回収できると判断できるはずだ。俺はそう考えて乗り換えた。半年後の検診結果は、その判断を肯定してくれた。
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