Eufy RoboVac X9 Pro、1年毎日使った正直な結論

Anker Eufy RoboVac X9 Proを1年間毎日稼働させて見えたマッピング精度・吸引力・メンテナンスコストのリアル。デメリットを含めて買い直すか正直に答える。

Eufy RoboVac X9 Proは「買ってよかった」と言える機種だ。ただし、1年間毎日稼働させたあとに同じ結論を出すには、いくつか目をつぶらなければならない部分がある。

X9 Proを買った経緯:前機種の限界に嫌気が差した

2023年秋まで使っていたのはRoombaj7+。マッピングの精度とゴミ自動収集の楽さは気に入っていたが、モップ機能が一切なく、フローリングの皮脂汚れが蓄積していくのが目に見えてわかるようになっていた。2LDK・猫1匹・フローリング率8割という環境で「掃除+水拭き」を同時にこなしてくれる機種を探した結果、当時8万円台に値下がりしていたX9 Proに乗り換えた。決め手は加圧モップ(最大3,000Pa)と自動洗浄ステーション込みのオールインワン構成。2024年1月から現在2025年2月まで、毎朝7時にスケジュール稼働させている。

1年稼働でわかったこと:良い点と正直しんどい点

マッピング精度は「及第点」だが完璧じゃない

LiDARとAIカメラの複合センサーによるマッピングは、導入当初から精度が高く、部屋の形状は1〜2回の走行でほぼ正確に把握する。家具の配置を大きく変えない限り、走行ルートが安定しているのは事実だ。

ただ、1年使って気になったのは「椅子脚のあいだ」問題だ。ダイニングチェア4脚が並んでいるエリアは、機体幅35cmのX9 Proが入り込めるギリギリの隙間しかなく、5〜6回に1回は脚に引っかかってエラー停止する。センサーが脚を「障害物あり」と認識して回避し、肝心の真下を掃除しないパターンも多い。ここはRoomba j7+の物理的な回避アルゴリズムのほうが粘り強かったと感じる。ペット・子どもがいる家庭でリビングの床が複雑な人は注意が必要だ。

障害物認識のAI精度は確実に上がっていて、猫のおもちゃや充電ケーブルを踏み越えることはほぼなくなった。ただし、猫の「嘔吐物」を踏んで走り回るという最悪のケースが1年で2回発生している。これはX9 Pro固有の問題ではなくロボット掃除機全般の課題だが、「AIで回避できる」と過信すると痛い目を見る。

吸引力5,500Paは猫毛に対して本物だった

猫毛の吸引は文句なし。毛足の短いラグでも奥に絡まった猫毛を引っ張り出してくれる。前機種のRoomba j7+比で、ダストボックスに溜まるゴミの量が明らかに増えた。「ちゃんと吸えていなかったんだな」とあとから気づくやつだ。

自動ゴミ収集ステーションの容量は約60日分とされているが、猫1匹環境では30〜35日で満杯になる。ここは公称値と実態に差がある。

モップの仕上がりは、カフェのフローリングレベルを期待すると裏切られる。水拭きというよりは「湿らせた布で撫でる」に近く、乾燥した汚れをゴリゴリ落とす力はない。脂っこいものをこぼした跡などは手拭きが必要だ。日常的な皮脂汚れ予防として機能する、と割り切れれば十分だ。

メンテナンスコストが地味に重い

ここが最大のデメリットだと断言する。

消耗品のランニングコストを1年間で計算した。

  • モップパッド(交換目安3〜6ヶ月):純正4枚セットで約2,000円×2回=4,000円
  • サイドブラシ(交換目安6ヶ月):純正2本セットで約1,500円×2回=3,000円
  • フィルター(交換目安2ヶ月):純正3枚セットで約1,500円×4回=6,000円
  • ステーション用ダストバッグ(30〜35日周期):純正3枚入りで約1,500円×約4セット=6,000円
  • ステーション用洗浄液:約1,500円×4回=6,000円

合計でざっくり年間25,000円前後。本体価格が実売8万円前後だとすると、3年使えばランニングコストだけで本体代の約94%がかさむ計算になる。「買い切り」の感覚で購入すると後悔する。

ステーション自体のメンテも想像より手間だ。モップ自動洗浄後の汚水タンクは毎日〜2日に1回は捨てないと臭いが出る。「全自動」というイメージで買うと、週に数回は本体に触る必要があることにがっかりする人が出る。

競合との比較:ロborock S8 MaxV Ultraと悩んだ末に

X9 Proを買う直前まで迷っていたのがRoborock S8 MaxV Ultraだ。2024年現在の実売価格帯はほぼ同じ8〜10万円レンジで競合する。

項目Eufy X9 ProRoborock S8 MaxV Ultra
吸引力5,500Pa10,000Pa
モップ加圧最大3,000Pa最大6N
障害物認識AIカメラ+LiDARRGB+LiDAR
自動洗浄
アプリの使いやすさ◎(日本語・直感的)○(多機能だが複雑)
ランニングコストやや高め同程度

吸引力の数値だけ見るとRoborockが圧倒するが、実際の体感はそこまで変わらないという声もある。X9 Proを選んだ最大の理由はEufyアプリの操作性の高さだった。Roborockは設定項目が多すぎて「管理が仕事になる」感覚があり、日々使うものとしてのシンプルさを重視した結果だ。この判断は1年後も正しかったと思っている。

結論:こういう人は買い、こういう人は見送り

買っていい人

  • フローリング主体の2LDK〜3LDKで、掃除+水拭きを自動化したい
  • ロボット掃除機の年間ランニングコスト2〜3万円を許容できる
  • 余計な設定をいじらず、シンプルに「毎朝スケジュール稼働させるだけ」にしたい
  • ペット(特に猫・犬)を飼っていて毛の処理に困っている

見送ったほうがいい人

  • ダイニングチェアが密集しているなど、障害物が多い複雑な間取りが主な掃除エリア
  • ランニングコストを含めた総所有コストで比較したい合理主義者(Roborockかマキタの手動ダイソン使いのほうが向く)
  • 「モップで頑固な汚れを落としたい」と期待している
  • 毎日汚水タンクを捨てるのすら面倒と感じるタイプ

買い直すとしたら同じ機種か? 答えはYesだ。ただし、メンテナンスコストを最初から織り込んで買う。それだけだ。

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